初代プレイステーションと初めて向き合えた日。



Playstation1 / dotty finlow

 

 コーヒーまみれのプレステ、通電す。

唐突に初代プレステをやりたくなって、押入れから引っ張り出してみた。

といっても、PS2以降なんてほとんど触ったことないんですけどね。

 

 うちのPS1は昔友達がコーヒーをぶちまけたのでジャンク扱いにしている。

地デジのテレビに、赤青黄色の~♪リッボンをつけた~♪てんとう虫を~♪

じゃなくて、赤青黄色のケーブルをつなぎ、スイッチオン!

 

緑のランプが点灯して、ブォォン♪チラチラチラ・・・・という起動音がテレビから流れる。

通電した!

電源ボタンを押した時、「ガチッ!」という音がした。

ボタンのふちにまだコーヒーがこびりついているみたい。

ということはPS1の内部はコーヒーまみれだということだ。

それでもこうして通電してあの不穏な起動音がちゃんと流れるなんて、それだけでも感動だった。

 

ディスクに異音。まさに発想の転換。感動的なソリューション。

ところが起動後、ゲーム画面が表れない。

ディスクがカラカラと回る音が虚しく響く。

 

起動で限界だったかな、と思ったものの、ダメ元でネット検索をかけてみた。

そしたらあった!PS1でディスクが読み取れない原因と解決法が!

 

本体の内部を開けて、配線をいじって・・とかを想像していた私には

その解決法がなんともシンプルかつ斬新で、久しぶりにうめき声をあげてしまった。

 

やることはただひとつ。

プレステを逆さにするだけだった。

 

半信半疑で本体を逆さにする。なんだか奇妙な罪悪感がわきあがる。

指で電源の位置を探って、スイッチオン。

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で、でた~~~!ゲーム画面!

さっきまでカラカラいってたディスクもシュビシュビ軽快な回転音をうならせている。

すごいぞプレステ。

 

私が見たサイトの解説によると、ディスクを読み込まない原因の多くは

読み取りレンズにあるらしい。

レンズを支える台の部分が壊れるとレンズが沈んでしまい。ディスクと距離が離れてしまい読み取れなくなっちゃうそうだ。

だから逆さにして、重力でレンズとディスクの距離を縮めると読み取れるようになるという原理らしい。

 

ゲーム界の完璧超人だったプレイステーション

初代プレステが発売されたのをきっかけに私はゲームをしなくなった。

ファミコンに慣れ親しみ、パソコンゲームやMSXも楽しんでいたけど、読み取り媒体はカセットだった。

FMTOWNSもやったけど、あれはゲーム機というより家庭用パソコンのおまけで遊んでいる感覚だった。

 

スーファミが出た時も「えっ・・16bitなんて高性能でゲームなんてしちゃっていいの?」と思ったけど、プレイステーションの登場はスーファミのそれと較べものにならない衝撃度だった。

 

「もうフーフーできないんだ」

直感的にそう悟った。

カセットを洗って天日干しするとかもできないんだ。とも思った。

何に失望したのか自分でもよくわからないまま、ゲームから足を洗った。

今持っているコーヒーまみれのプレステもPS2が主流になった頃に中古で買ったものだ。

 

あの挫折から約20年。

それまでのゲーム機とは一線を画す圧倒的な存在だった初代プレステも

本体を逆さにするなんていうフーフーレベルのアナログな扱い方で調子を取り戻してしまうんだ。

 

誰よりも繊細で、泥あそびした後の手で遊ぶなんてもってのほかだったあの気高いプレステが

今やコーヒーをぶちまけられ、ひっくり返ったカメみたいな恰好にさせられ、

よりによって「上海」なんて超絶チープなゲームを起動させられている。

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かつての栄華を誇ったPS1としては不服かもしれないが、

私は20年の長い年月をかけてやっとプレステを自分のものに出来たような、愛せるような気持ちになった。


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