ショビ書房のホリディ

マンガ・仏像彫り日記・℃-ute・ハロプロなどについて書いています。

大島てるの謎と、事故物件だったかもしれない我が家のこと。

事故物件公示サイト 大島てる

「大島てる」を知っていますか?

日本中にある事故物件(何らかの原因で人が死亡した経歴のある物件)の情報を公開しているサイトです。

 

www.oshimaland.co.jp

 

Google Map上にマークされている大量の炎マークを見るだけでゾッとします。

大島てるって名前自体、なんか古めかしくて怖いですしね。

 

自分の住んでいる地域を軽く見ただけでも

「えっ、あそこ、むかし殺人事件あったの?」とか

「あの有名な残虐事件、こんな近くだったんだ・・・・」とか分かっちゃって

見ちゃいけないものを見た気分にすらさせられます。

 

なんだか不気味で、でも気になる。

今まで素性を知らなかった「大島てる」。

先日買ったマンガにたまたまその「大島てる」のインタビューが載っていました。

 

カラスヤサトシの怖いところに手が届く (ホームコミックス)

カラスヤサトシの怖いところに手が届く (ホームコミックス)

 

 

「大島てる」の素性

私が勝手に「不気味・正体不詳」と思っていただけで、最近は運営者の方のメディア露出もけっこうしているそうです。

また「不穏で怪しい」というイメージも、掲載されている事件の内容が怖いだけであって、「大島てる」自体は怪しいどころか真面目な会社のようです。

 

「大島てる」は元々不動産会社。

不動産業で事故物件を数々見るうちに、事故物件の情報を借り手に教えない業者や家主が多いことを知り、公平な情報を開示するために事故物件公示サイト「大島てる」を立ち上げたらしい。

想像の斜め上を行くまっとうさ!

 

また「大島てる」という社名は創業者でもある会長の祖父の名前からとっているそうです。

普通だ。

 

でも不思議なことに、「なーんだ普通じゃん!」と怖さが無くなるわけではなく、

むしろまっとうだったことで余計に事故物件の闇の深さが引き立つというか・・・・

淡々と積み重ねられるほどに「人間はこわい」という紛れもない事実が浮きぼりになる、ということがわかりました。

 

事故物件の特徴とカブってしまう我が家

インタビューの最後ではさらっと事故物件の見分け方が語られます。
会長曰く、事故物件の特徴は
  • (集合住宅の)ひと部屋だけリフォームされている
  • 部屋の一部分だけリフォームされている
  • 最近急に建物名が変わった

 

あれ・・・・

なんかこの特徴、覚えがある・・・・

って、前住んでたアパートだ。

 
5年前に住んでいたのは都内にある築40年の古アパート。
木造の2階建てでひと部屋ずつしか無かったから遮るものが何もなくて、夏は暑くて冬は寒くて、風が吹くと揺れた。
 
私はその2階部分に一人で住んでいて、1階には中国人のシングルマザーと小学生の息子が二人で住んでいた。
この親子がかなり激しい性格で、しょっちゅう大ゲンカしては中国語でわめきたて、食器を投げ合って割る。
お母さんは歌手志望だったらしくよく通る声をしていたので怒鳴り声もよく通る。その上古い住宅だからもうケンカの内容が全部2階に筒抜けだった。中国語だから分からなかったけど。
 
声もすごい上にドシャーン!ガシャーン!と家が揺れるからよく傷害事件にならないか2階でハラハラしていたものだった。
怒号といろんな物が割れる音。するとある時、フッと無音になる。
「とうとうやってしまったか・・・・?」と、携帯電話をそっと手に取る私。
すると、まるで弾けたように親子の高らかな歌声が響いてくる。
 
中国人って・・・・
よくわかんない!!
偏見ではあるけど、あの時の私がついそう思ってしまっても仕方無いと思う。
そんな感じで、不可解で奇妙なものを天井一枚隔てたところからどこか楽しむような感覚で下の中国人親子のやり取りを私は楽しんでいた。
それは今思うと「大島てる」を覗く感覚と、ちょっとだけ似ていたのかもしれない。
 
中国人親子は何の前触れもなく引っ越した。
その後、手紙で大家さんから「半年後に取り壊すから出てってくれ」という通知が来たが、少ししたら「取り壊しやめました」という手紙がまた入っていた。
そして1階のリフォームが始まった。
 
風が吹いても揺れる家なのにリフォームなんてしようものなら毎日が大地震。
しかも一回、工事のオッサンが合鍵を使ってまだ寝ていた私の部屋に土足で上がり込んできた。上も空き家だとオッサンが勘違いしただけみたいで、私の姿を見とめると慌てて出て行ったけど、なんで工事のオッサンにうちの鍵まで渡す必要があるのかはわからなかった。
なんで私はあの時不動産と大家に抗議しなかったんだろう?
呆れるくらい弱気な人生だ。
 
雪男みたいなオッサンたち数人に、吹けば飛ぶよな安普請を掴んでグラグラ揺らされるような心もとない気分をしばらく味わったのち完成した下の部屋は、なんか笑っちゃうような出来栄えだった。
部屋の中身は見えなかったけど、最新の丈夫で機能的な玄関ドアを見るだけで中もきれいになっているだろうことはわかった。
そしてアパートの名称も「○田荘」から「○田ハイツ」に変わった。
 
最新の設備にリフォームしたところで土台が木造築40年のアパートだ。しかも2階は古いまんま。木で出来た雨戸は腐っていた。
なんでこんなチグハグなことをするんだろう?
と疑問だった。
 
 
もしかしたら事故物件だった、
いや、私が住んでいるあの時に事故物件に「なった」のかもしれない。
そう思うと当時のいろんな不可解なピースがピタッと綺麗に収まるような気がしてしまう。
 
もし本当に事故物件だったとして、
それを渦中であった当時に知っていたらとても冷静ではいられなかっただろうが
あれから年月の経ったいま、事故物件の可能性に思い至った時に
「そうだったら納得がいく。むしろそうであった方が理解のおさまりがいい」
と、妙にねじれた安心感を希求してしまう感情が湧いている自分は
「大島てる」のあの炎まみれの地図の中にまぎれもなく居る人間なんだ、と思うのでした。