ショビ書房のホリディ

マンガ・仏像彫り日記・℃-ute・ハロプロなどについて書いています。

浜松の楽器博物館へ行ってみた。(写真多め)

先日、浜松へ行く用事がありました。
短い滞在時間を利用して行ける観光スポットということで
浜松駅前にある楽器博物館を訪ねてみることに。

 日本初の公立楽器博物館、充実の楽器コレクション

公式サイトによると浜松の楽器博物館は日本初の公立楽器博物館だそうです。
世界の楽器1300点を常時公開しており、そのほとんどが撮影自由!
触れることは出来ませんが、ガラスケースなどに入っていないのでかなりぐぐぐいっと顔を近付けて見ることができるのがありがたい。
楽器のサンプル音源も充実しています。

浜松市は日本の洋楽器産業発祥の地であることから「浜松は音楽の都」と称してまちづくりを行っているそうです。その取り組みのランドマークとしての楽器博物館は、アクセスもいいし敷居が低いし、楽器文化に親しむにはうってつけのミュージアムでした。

楽器と彫刻の親和性

初めて楽器博物館に行って見惚れたのは彫刻、とりわけ木彫デザインの数々でした。
音を鳴らす実用物に彫刻をほどこすロマンチシズムはたまらないですね。
目に見えない音を生み出す楽器がこれほど美しい形ばかりであることには、ちゃんと意味があるのでしょう。

私も彫刻をする身として、楽器製作者たちの意匠を間近で眺めてうっとりしてしまいました。
そして自分もいつか模刻をしようと、音はそっちのけで資料写真ばかり撮ってしまいました笑



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モンゴルの弦楽器、馬頭琴のヘッド。
弦と弓に馬のしっぽの毛を使うから馬頭琴ですが、頭もやはり馬です。

 

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おそらく馬頭琴と同じような日本弦の楽器ですが、こちらの頭は龍。
弦は龍の髭が用いられてるのでしょうか?
だったらどんな音になるのか聴いてみたいものです。

 

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ギター類というものは万国共通でヘッドにオブジェを彫りたくなるようです。
上の写真はヨーロッパのギター。アジアのそれと違って流麗ですね。こわいけど。

 

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こちらもヨーロッパのギター的な何か。神々しいです。

 

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一方こちらはアフリカのカリンバ。
アフリカンとしか言いようのない装飾。

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人や動物の頭に模するだけではなく、このようなヘッド彫刻も。すてき~

 

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これはインドのシタールの一種だったかな?
ボディ部分のふくよかな丸みを動物(特に鳥類)の胴部にみたてる装飾もちょいちょい見られました。

 

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イングリッシュギターは、音の出る穴(サウンドホール)の部分に彫金カバーが施されていました。
これが美しい!

 

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上の写真なんかは、奥に向かって二重三重にと立体的な透かし彫りが施されています。
サウンドホールに装飾をかぶせたら音が通らなくなってしまうのでは?
なんて疑問も沸きましたが、何かしらの意味があるのかもしれません。

 

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フランス産のバンジョーたちはなぜかボディの背面に絵が描かれています。
背面部分は通常、奏者のお腹に隠れてしまって装飾が見えなくなると思うのですが
これにも何かバンジョーという楽器特有の理由があるのでしょうか。
確かにバンジョーは、表面部分全体にドラムの皮が張られていて、装飾を施す余白がありません。ネックも他のギター類と比べて細いです。
となると、バンジョーに装飾をするとしたら、丸く平らな背面部分・・・・
ということでしょうか。

バンジョーの背面装飾は考えるほどに興味深いです。
いかなる理由にせよ、演奏中は隠れてしまう部分の装飾文化が発達するということは、楽器の装飾は聴衆に魅せるものではなくあくまで持ち主が愛でるために在る、ということになります。

基本的にどの楽器装飾も、音色をよくするために施されたものではありません。
むしろ、ギターのヘッド彫刻に代表されるように、演奏する部分(手や口を当てる部分)と音の出る部分を邪魔しない所を探し探して見つけた隙間に、精一杯遊び心を出した末の産物のように思えます。

そんな遊び心の意匠が、観客の目を楽しませるためのものですらなく、演奏者あるいは楽器収集家が気持ちを高めるためにあるものだとするなら、音楽というものが、いかに個のロマンチシズムを増幅しないことには成立しない文化であるか、ということが窺えます。


そんなこんなで、本当は楽器博物館、ピアノ類の展示なんかもすごいのですが、時間があまりなくてギター類に注目するだけで終わってしまいました。
半日くらいかけてじっくり楽器文化に思いを馳せたいものです。

ちなみに体験ルームは子供の学習施設の様相で、原始的な鳴り物楽器が多く、あまり大人が楽しめる内容ではありませんでした。

しかし、とにかく手を伸ばせば触れてしまいそうな距離で、万国様々な楽器のたたずまいを眺められるのはとても贅沢な体験でした!